今井 薫 博士課程(社会人)

研究テーマ

病原ウイルスの消毒剤開発

研究概要

急性胃腸炎の主な原因であるヒトノロウイルスは、ヒト腸管で増殖し、糞便や嘔吐物中に大量に排出される。排出されたウイルス粒子は環境中で安定、かつ少量で感染が成立することから、適切な手指衛生による感染経路の遮断が重要である。エンベロープを持たないヒトノロウイルスの消毒剤感受性は低いと考えられているが、培養増殖が困難であることから生体用殺菌消毒剤の真の有効性は明らかではない。本研究の主目的は、新規殺菌消毒剤のヒトノロウイルスに対する有効性の検証およびその作用メカニズムを解明することである。ヒトノロウイルスをはじめとした消毒剤低感受性の病原体にも効果的な殺菌消毒剤の開発を通し、感染制御への貢献を目指す。

学歴

2012年3月 名古屋大学理学部生命理学科 卒業

2014年3月 名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻博士前期課程 修了

学術論文

  1. Disinfection efficacy and mechanism of olanexidine gluconate against noroviruses
    Kaoru Imai, Makoto Tanaka, Seiji Miyoshi, Ren Murakami, Akifumi Hagi, Sachi Yamagawa, Daisuke Sano
    American Journal of Infection Control, 2022, 50, 764-771.
  2. Olanexidine gluconate formulations as environmental disinfectants for enveloped viruses infection control
    Kaoru Imai, Akifumi Hagi, Sachi Yamagawa, Daisuke Sano
    Journal of Hospital Infection, June 2021, 112, 37-41.
  3. Virucidal efficacy of olanexidine gluconate as a hand antiseptic against human norovirus
    Kaoru Imai, Akifumi Hagi, Yasuhide Inoue, Mohan Amarasiri, Daisuke Sano
    Food and Environmental Virology, June 2020, 12, 180–190.

学会発表

  1. 新規消毒剤オラネキシジンの殺ウイルス作用の評価
    今井薫、萩彰文、佐野大輔
    第36回日本環境感染学会総会・学術集会
    2021年9月19-20日、名古屋国際会議場+オンライン
  2. アフリカツメガエルにおける初期胚型MKLP1サブタイプの解析(ポスター発表)
    今井薫,岩渕万里,赤坂茉莉,大隅圭太
    第36回日本分子生物学会
    2013年12月3-6日、神戸ポートアイランド(神戸国際会議場・神戸国際展示場・神戸ポートピアホテル)